企画について
3・11をどのように捉え、そして生きるか?という、これからの私たちの命題に、真摯に取り組まなければならないと思っています。
2012年7月に開催した『本橋成一&スズキコージ展 「BEFORE&AFTER 3・11」』をきっかけに始まった、「BEFORE&AFTER 3・11 希望へ」の企画。
今年2013年は、9月に「BEFORE&AFTER 3・11」希望へ の第2弾といたしまして、
「<映画&トーク>もう始まっています。地域エネルギー!」を開催し、脱原発後のエネルギーのありかたについて提言いたしました。
そして、今回は「3.11の明日へ 瓦礫の下から唄が聴こえる」と題し、津軽三味線の高橋竹山氏と詩人の佐々木幹郎氏を迎えてのコンサートを企画しました。
この題名にあります、「瓦礫の下から唄が聴こえる」とは佐々木氏の著であります「瓦礫の下から唄が聴こえる」からとりました。また「明日へ」というのも佐々木氏の詩集「明日」からとったものです。
「瓦礫の下から〜」というのは、津波で逃げおおせた人からの聞き書きで、命からがら逃げている時に、瓦礫の下から民謡が聴こえてきた、それは悲しいというよりは、朗らかな声であったようです。ただ、その方は自分が逃げるのが精一杯で、助けることができなかったという、そのようなお話から取られたものです。あのとき、このような出来事は沢山あったと思われます。それを普遍的な意味に捉え、生命の在処を問おうとしたのではないかと考え、そのような題名にいたしました。また「3.11の明日へ」としましたのは、3.11の直後に佐々木氏が朗読した作品の「明日」が、これからの希望をうたう詩であると考えてつけました。
津軽三味線の高橋竹山氏は、震災後、東北各地を訪れ、その地域の民謡を、さらに見つめ直す試みをしています。
その二人は、この大震災をあらたな「語り物」にしようとしています。琵琶法師が平家物語を語るように。そうです、今回のイベントは、『私たちはこの度に大震災をどのような「語り物」として後生に語り残すか』というのが企画意図です。
多くの皆様にその貴重な時間に立ち会っていただければ幸いです。
芸術文化振興NPO準備委員会・野口 修